国内外の近代および現代美術を収蔵・展示している。20世紀美術とデザインの収蔵、現代美術の意欲的な企画展で全国的に知られ、また漆芸で高名な作家・髙橋節郎の作品を収蔵する髙橋節郎館を併設している。
美術館の建物は建築家・谷口吉生の最高傑作として名高い。モス・グリーンのスレートと乳白の磨りガラスで構成されたモダンな外観や、 水平、垂直の直線と矩形を基調とするミニマルな建築空間に特徴がある。展示室から別の展示室がわずかに見えたり、順路の途中の廊下から豊田市の眺望が開け るなど、意外性や面白さも併せ持っている。
20世紀初頭の日本画、アーツ・アンド・クラフツ運動、ウィーン分離派、バウハウス、シュルレアリスムに属する作家の美術作品、同時 期の家具などデザイン作品にはじまり、20世紀の主な美術運動を網羅し、1990年代以降の日本における現在進行形の作品までを収集している。
菱田春草や速水御舟、海外ではグスタフ・クリムト、エゴン・シーレ、ルネ・マグリット、サルバドール・ダリなどの作家の作品やインスタレーション作品も展示している。
豊田市美術館は「挙母城(七州城)」と呼ばれた旧・挙母藩の城があった場所にあり、現在も美術館の入り口近くに七州城の隅櫓が復元されている。
美術館の敷地の西側は、この隅櫓や茶室が日本式庭園の中に点在し、歴史的景観を形成しているエリアとなっている。