徳川美術館は侯爵徳川義親の寄贈にもとづき、尾張徳川家に伝えられた数々の重宝いわゆる「大名道具」をそっくりそのまま収め、展示・公開している他に例を見ない美術館。
国宝『源氏物語絵巻』を収蔵することで著名。他にも徳川家康の遺品を中心に、初代義直以下代々の遺愛品や、その家族が実際に使用した物ばかり1万数千件におよぶ収蔵品がある。
国宝9件、重要文化財、重要美術品多数を含み、武家の表道具である刀剣、武具類や家康の遺品、華麗な婚礼調度をはじめとする調度類、服飾品、茶道具、書画など多岐にわたる。
オランダより伝来した徳川義直の望遠鏡が、現存する日本最古の望遠鏡である。17世紀の望遠鏡は、世界でも希少価値が高い。
藩主の公的生活の場であった、名古屋城二の丸御殿の一部を時代考証に基づいて復元してある。こうした展示方法により、道具類が、床の間、茶室、能舞台といった実際の場面で、どのように飾られ、使われたのかが理解できるように工夫されている。
現在企画展示室として使われている建物は、財団設立当時の1932年に建てられた「帝冠様式」という、和風の屋根や外観をもった洋式建築で、国の登録有形文化財建造物として登録されている。